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舞妓さんのことば

公開日: : 最終更新日:2014/05/02 わがまま言い放し, 京都ってこんなとこ

「舞妓さんの言葉」の著者の京都女子大学の西尾久美子教授の講話を聞く機会があったので、聴講させていただいた。
日本の庶民の伝統的な教育というものを、再発見した様に感じました。

それは丁稚教育とも良く似ていました。基本は住み込み、衣食住付きの無給制度。
仕事は多岐に渡り、住み込みの為に番頭や手代から礼儀作法や商人としての「いろは」を徹底的に叩き込まれる。
勤続年数に応じて位が4段階ほどに分けられており、丁稚(10歳前後)→手代→番頭→暖簾分け(30歳前後)、という形で立派に勤め上げれば最後には自分の店を持たせて貰える。
しかし、これは日本流ですが、国際社会においては、日本が御国を植民地から独立出来る様にしましたとはいう習慣はありません。
また、上方の大店では、息子には家を継がせず、丁稚から育った叩き上げの成長株に嫁(娘)の婿にもらい、店を継がせるという風習もあったようです。

これを舞妓さんに置き換えると、殆ど一緒で女将さんや先輩から教わり、見習い、仕込み、舞妓、芸妓、自前、認められればお茶屋を譲られる事もあります。
職人さんの徒弟制度も同様であります。

このように、昔の日本の教育は、学校教育だけでは無しに、家制度や弟子入り制度など、基本は家族経営(現在の核家族とは内訳が異なるが)が土台となり、生産の場を支えるための教育が、各職業ごとにしっかりと行われていたのです。
まさに、現実に活きる為、生産手段、活きる為の知識、そして活きる為の場が、教育と密接にリンクして機能していました。

「舞妓さんのことば」は真っ先に覚えさせられるのですが、今の世の中に立派に通じる新入社員教育と思います。

① 「おおきに」感謝から始まります。お座敷に呼んでいただいたお礼、お姉さんにひいきしていただいたり、教えていただいたお礼。自分に配慮してもらえる配慮にたいしての感謝。

② 「すんまへん」当然未熟なのだから、未熟を自覚して、又、教えて頂けるようにする。なぜ失敗したのか原因を探求し理由を言うことよりも、失敗を認めてすぐにきちんと謝ることが大切なのです。

③ 「おたのもうします」何かをするとき、皆さんに先ずお願いから入る。

④ 「相変わりませず」いままでご同様に、ごひいきさんや、先輩達に、ご指導ご鞭撻を願う。

⑤ 「気張らしてもらいます」周囲の空気を読みながら気を張るので、我を張って頑張るのではない。

⑥ 「電信棒見ても、おたのもうします」花街では一番下積み、お客さんも、おかあさんも先輩も、花街に来られる人は全部先輩、お世話になるのだから誰にでも挨拶。

⑦ しょうむないことやさかいに、言わへんのはあかんのえ。自分のしたことについては、まず報告することが大事なんだ。日々の業務についてきちんと報告することの大切さ、「報告、連絡、相談」。

⑧ 「頭で考える前に、おいど動かさんと」頭で考える前に、お尻を上げて言われた事に行動に移さないといけない。条件反射出来る様にする。

⑨ 「お目だるおした」(目がお疲れになったでしょう)「見てもらえへんようなレベルの芸事をよう見てくれはって、おおきに」見る側の目利きの技量に関係なく、あくまでも謙虚に構えます。その上で、技能発揮の場をもらえた事に対しての感謝。

⑩ 「座ってるのも、お稽古」自分が直接教えてもらうことだけが学びではなく、他の人の学習機会に同席できるときもアンテナを伸ばし、自分の成長の糧にする。

⑪ 「そのままほっとくのが恥ずかしいことや」間違うことが恥ずかしいことない、そのままほっとくことが恥ずかしい。

⑫ 「だれの手もかりてしまへん、みたいに思うたらあかんのえ」皆さんのおかげでここまで来られたという感謝を持たないといけない。

⑬ 「一歩上がると、見えへんことがわかるようなるんどす。」芸妓になれば、チームの中でせねば、ダメなことを、ちゃんとわかるように舞妓に説明せねばなりません。先輩になったらわかる事がある。

⑭ 「一生、一人前になれへんのどす」ずっと一人前になれないと自覚するからこそ、厳しい言葉や視線を投げかける先輩たちの叱咤激励を活かして、自らの技能を磨く道を歩み続けられる。

要するに、常に感謝の気持ちを持って、絶対服従をすることで、「可愛がってもらう」事が、自分の出世の早道であり、反面教師という言葉があるように、かわいがられない先輩にはならない事です。

私も若い頃にこんな教育が受けたかったと思います。

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