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洛中に入ろうとした私・入らなかった井上さん

公開日: : 最終更新日:2021/04/22 ひとり言, 井上章一さんに物申す, 頑固おやじのひとり言

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私は、京都の洛中に入り篭絡されたのかもしれません、洛中に住んでいる人の側に入って書いて行こうと思います。井上さんのいう、杉本家ですが、歴史は公益財団法人 奈良屋記念杉本家保存会ホームページをご覧ください。300年程前に伊勢から丁稚として出て来られ、修行の結果、のれん分けを許され、成功された方です。先代のご亭主は稼業は継がれずに、京町屋を継がれました、フランス文学者でありました。「洛中生息」という随筆集を出されています。そこへ京大で建築学を学ばれていた井上さんが、正式のアポを取られて、調査に来られた様です。杉本家にはそんな方が良く来られていたのでしょう、嵯峨野育ちですから、洛外の方ですなと言われ。昔から洛外の農家の方が洛中の糞尿を、肥料に集められていたと言われたようです。これで、井上さんはカチンとこられたのでしょう。杉本さんは、調査をお願いしたわけでもないし、学生さんが自分の建築学の知識の為に来ている、町屋の生活の事を、ホンマにわかるのかなあと思われていたのかもしれません。杉本さんにすれば、こんな大きな家を古いママ残され、修繕費や庭の維持費もかかり、便利な電気製品を我慢し、不便な暮らしをしなければならない、皆から、こんな素晴らしい物、立派な家を残さなければと言われたのかもしれません。経済的な事を考えれば、売却して他所に移るか、マンションでも立てて、合理的で快適な生活をおくれた筈である

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ましてや、伯牙山の鉾町でもあります。町内が世代替わりなどで、移転されたり、ビルになったりして、町会所もなくなり、鉾の飾りを展示するのも引き受けられると。益々、残さなければという責任感が重くのしかかってきたはずであります。バブルの時には、不動産の評価額が巨大なものとなり、遺産相続をしなければならなくなると、当然家を売って払わなければならなくなります。大きな町屋をお持ちになっている所は、必ずその問題に遭遇されます。昔は、鉾町では、お祭りになると、多くの人がお見えになり、振る舞いもされてきたのでしょう。

学者の杉本さんには経済的負担が多すぎた様に思えます。ご家族も数名だったと思います。それに大きな町屋を残す事は大変で、最後には文化財登録された様です。そうすれば、補助は出るものの、簡単に修繕したり売却する事は出来ません。不動産的金銭価値は絵に描いた餅同然です。

京都は明治政府が出来るまでに自治を町衆がやって来ました。明治に出来た市内の小学校は、町衆の寄付で出来ております。神社や仏閣も町衆の寄付により存続しているといっても過言ではないでしょう。行政の出来る以前に決まったものがあり、それを行政が変えて来たという歴史があります。お酒で有名な、伏見は一旦伏見市になりましたが。伏見区になっています。洛中の商人が、職人や、農業をささえているという、自負心から、上京区中京区下京区が洛中で、その他を面倒みていた歴史から来たものであるかもしれません。

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東京のメディアが洛中をおだてているというくだりがある。特に料理店の事ですが、井上さんはあまりいい店に自腹では行ってられない様だと拝察します。特にメディアは味覚や嗅覚は聴覚は伝えられません。ですから、他の雑誌を見て、記事になりそうな店を取材されるのです。京都の食通の旦那さんの行く店は、割烹が多く席数も少ないために、取材拒否が多いです。お客様を接待するのに使うのは料亭ですし、常連客のいない店は取材されたいです。

京都でミッシュランの星を嫌がる店もあります。割烹のお店は、店主が包丁を握り、常連客の反応を見たり対話もされます。個人で行かれる訳ですから、前もっての予約はあまりされませんし、キャンセルする事は信義上したくないのです。メディアを見て予約される方には、キャンセルがとても多く、又、流行りすぎると常連客が来なくなります。料理をするのですから、前もってその日の食材を仕入れ、出汁を取り、器を用意し、花を活けたり、長時間の準備をされます。仕入れコストも毎日違い、全部、板場の胸先三寸です。阿吽の呼吸で出来る常連さんのみが本当の客とされるのです。ですからチェーン店はありません。一店舗主義です。東京の様にビルの中で、雇われ人が包丁を握るのではありません。私は京都の料理屋さんは歴史も借景も器もお道具も勘定に入っていないからリーズナブルと言っています。

 

 

 

 

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