お・も・て・な・し
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最終更新日:2014/05/15
京都ってこんなとこ, 頑固おやじのひとり言
昔、飲食業をしようと思って友達に話したら「茶道」を勉強したらと進言されました。
何回か茶道教室に通う間に、その理由が分かったように思いました。
茶道とは?お客の好みや、立場・地位を斟酌し、お客様に満足していただけるように、茶席という場しつらえる事なのだろうと理解しました。
作法を覚える事が大事では無しに、もてなしの心を、言葉ではなく伝え、無言の対話なんだと。
相手をもてなす為に、季節の花を活け、掛け軸を選び、お茶碗を選ぶ。
おいしい水を用意しながら、お道具の選別もしながら、話題も考える。
また、お茶菓子やお料理を考える。
お客様を茶席に招きいれるまでの、しつらいと思いが大切であると言うことを私に助言してくれたのだろうと思います。
京都のおもてなしとは、其のお客個人に対して、どうしつらえるかを考えるのですから、一般を対象とするのは、だれでも出来るから、得手ではないのでしょう。
『不細工やなあですね。』
量より質です。
パーソナルサービスです。
一見さんお断りは、そのサービスが出来ないからもあるでしょう。
例えば、素敵な着物が欲しいお客様がおられると、その人の好み、どこに着ていかれるのか、いつ、今までにどんなものをお召しになったのか、ご予算はという聞き方になります。
お客様に質問していくと、お客様も答えているうちに、漫然に考えていたものが、頭の中に絵になってまいります。
もちろん予算内で考えますが、着物が出来上がる前に、帯は、半襟は、帯揚げ、帯締めは、お襦袢は、帯紐は、袋物は、お履物はと言うように、お勧めをコーディネイトしておそろえするのです。
あくまでもお客さんが喜んでいただける様に考えます。
オーダーメイドです。
それにより、お出入りとして信用を得て、リピーターになっていただけるのです。
次に注文されるときは、いつごろ、どんな場所、どんな集まり…いわゆる「TIME・PLACE・OCCASION」を聞けば、気に入っていただけるものを提案できます。
私は何度も旅行しました。
しかし、最初に決めてそれをスケジュール通りこなせば、あまり印象は残っていません。
その土地の方との交わりを通して、其の土地の事を理解しようとしました。
又、其の国の成り立ち、歴史等を調べたいと思った事がたくさんあります。
素敵なレストランもいいのですが、ご当地しかいただけないものや、環境がとても懐かしく感じられます。
オーストラリア人の日本観光が増えたのは、雪景色の中で温泉にサルが手ぬぐいを頭にのせた写真からと聞いています。
スキーと温泉です。
北海道に来て、居酒屋や、ラーメンやカレー、串かつ、焼き鳥、カラオケで楽しんでいます。
英語のメニューが無いときからそうです。
タイ人観光客はホテルに入り、浴衣に着替え、日本食を食べ、太鼓や踊りに参加させ、流しそーめんでもてなす。
体験型が人気だそうです。
これも人気のいいのに変えていったらそんな体験メニューになったとの事です。
東京ではロボットショーが大人気。
台湾からの観光客は、京都府の美山町でわらぶきの家で結構式を挙げるのが流行の様です。
京都観光も、VIPはお寺で書道家に字を書いてもらう、座禅を組む、町屋で泊まり月見宴会をする。
結婚式を神前にし、料亭での宴会、伝統芸能で楽しんでいただく。
お土産は伝統工芸品。
こんな事が日本を理解を推進できるおもてなしではないかと思います。
観光とは、其の地の光を観る事です。
- 1つ前
- 水の歴史
- 1つ後
- 京都は洛中の人で保たれていた。