お出入り
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最終更新日:2014/04/27
京都ってこんなとこ, 頑固おやじのひとり言
京都の旧家にはお出入りの人がいます。例えば、大工さん、庭師さん、きものやさん、仕出し屋さんです。
家人と相談して、その意を汲んで仕事をされる方達です。
家の修理や改築等をする際にでも、昔からの履歴、即ち設計図や部材や、職人名まで大工さんが記録を保管されています。 庭師さんも同様です。 お出入りの方なら、鍵をお渡しして家をあけることも出来ます。
きものやさんにしても、必要な物を言えば、見繕って見せていただけ、決めれば、サイズを測ることなく、仕立てていただけます。
お料理にしても、どんなお客様で、人数、季節を考え、器まで用意して、料理していただけます。
先日日本で一番古い建設会社の紹介がありました。そこには何百年にわたり寺社や、邸宅の資料が何千軒と保管されています。 特殊な細工物も、昔は誰が作ったまで記入されていますから、その職人さんに頼むと修理もしていただけます。
お茶の千家は、十職という職人さんがおられ、それぞれの分野で、技術を継承され研鑽されています。 そこには、マニュアルで掛けない体得した感性があります。代々それを伝承されています。 文化にはこの様に守る為の人達がいるのです。
皇室も、明治以降も三越や、高島屋等の百貨店が御用達として機能しているようです。 買い手よりも知識が豊富で、その家風を会得していなければならないのです。
老舗が仕入先をなかなか変えないのもこの様な理由があります。 価格だけの商売は長続きしない物です。
しかし、お出入りに甘えていると、その座は失われます。大事な所ほど、神経を使った商いを心がけしなければなりません。
百貨店の成り立ちは、着物から始まり、お客様の意向によって商品アイテムが広がり今の様な百貨店になって来たのです。
お客が会社を育てる例です。